ここが異常だよハローキティ

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このブログを見る方ならご承知かもしれませんが、ハローキティは異常です。

 

もちろん、キャラクターとしてのハローキティがとんでもないお化けコンテンツであることを改めて指摘するつもりはありません。

そうではなく、昨年夏にYouTubeで活動を始め、今もチャンネル規模を着々と拡大しつつあるハローキティの異常さについて語りたいのです。

本当はvtuberハローキティと書きたいところですが、当人が「バーチャルじゃないよ、リアルだよ」と言っているのだから仕方ありません。このあたりの定義の話は、vtuber誕生当初から付いて回る、根深くややこしい(しかも得るものが少ない)問題なのですが、今はそれどころじゃありません。

 

最初に確認します。

vtuberに既存のキャラクターを持ってきて成功させるのは、至難の技です。

成功、というだけだとやや語弊があるかもしれません。

YouTubeに拠点を作り、もとからいるファンを集め、その上で新たなファンを安定的に獲得していく。そういう意味での成功です。

 

既存キャラクターのvtuber化は、ハッカドールすーぱーそに子なんかが有名ですね。また、以前少し触れましたが、有名声優を起用したvtuberもここに含まれると考えています。…というか、田中のおっさんのことです。大塚明夫という絶大なるブランドゆえ成り立つvtuber。これまた寄り道すると大変なので今はスルーしますが、大塚明夫ハローキティがほぼ同じカテゴリに並列されるというのは、なんとも趣深いものですね。

 

で。

既存キャラvtuber化の何が難しいかって、縛りがキツイ。そりゃそうです、既にキャラクターが確立してるんですから。既にあるキャラクターの延長上で、YouTube活動を展開しなきゃいけない。元からいるファンは喜ぶでしょうが、新しく興味を持つ人はなかなか増えない。逆に本来のキャラを逸脱すれば、元からいるファンは快く思わない。完全に板挟みです。かくして、一定程度までは登録者数が爆伸びしますが、どこかでピタッと止まる。

 

それなのに、ハローキティは登録者数18万を超えた現在も1日4桁増を記録しています。ハッキリ言って異常です。

もしかしたら、まだ既存のファンを集客してる最中なのかもしれません(それならそれでやべーやつですが)。でも、たぶんそれだけじゃない。

 

まだ全貌が掴めてないのですが、とっかかりだけでも書き残してみます。

まず、上記の縛りについて。ハローキティは、すでに何でもありというか、チャレンジングスピリットというか、そういう土壌を作り上げていました。これは先見の明ですかね。おかげで既存キャラ特有の縛りがほぼない状態から、YouTube活動を始めることができました。

とはいえサンリオの顔ですから、下手なものは出せない。綿密な下調べをして臨んだのでしょう。

 

動画を見ればわかると思いますが、あれは明らかにプロの犯行です。動画のテンポ感、巧みな話術、バランス感覚のとれた話題選び…

 

私はふと「チコちゃんに叱られる!」を思い出しました。バーチャルなキャラクターとして、昨年最も名を馳せたのはキズナアイではなく、チコちゃんです。さすがは国営放送。中の人にキム兄を起用し、その道のプロ(編集、企画etc)が手を加えるとこうなるという見本です。レベルが違いすぎて参考になりません。

 

ハローキティにも、それと似た匂いを感じます。冒頭触れた「バーチャルじゃないよリアルだよ」発言、瞳孔に映った殺風景な部屋、その他諸々。今はもう仔細に観察する余力がないので切り上げますが、迂闊に手を出したら多分やられます。皆さん気をつけて下さい。

 

本当は、この界隈で初めて女性客を掴んだんじゃないかとか、そういう話もしたかったんですが。これまた色々絡んでくるので、後日持ち越しということにしましょう。