もこ田めめめ 〜出川、狩野の意志を継ぐマトン〜

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少し前の話。

ガリベンガーVの第3話を見ました。

 

解説役の先生に、頼れるMCバイきんぐ小峠。そこへドットライブのよき兄貴分・電脳少女シロが、アイドル部のメンバーを2人ずつ引き連れて臨むという図式の番組です。この辺り、ドットライブの戦略も窺えて大変興味深いのですが、今は深入りしません。

ただ、小峠というキャスティングについてだけは軽く触れる必要があります。彼は、第一線で活躍する貴重な標準語のツッコミです。また、芸風に偏りもなく、あらゆる仕事をそつなくこなす能力の持ち主ですから、今回のように前例の少ない異種格闘技戦的シチュエーションには、最適な人選だと思います。

 

さて、第3話はもこ田めめめと木曽あずきの出演回でしたね。電脳少女シロも含め、三者三様の掛け合いが展開されました。

 

電脳少女シロは、終始自らの世界を維持していました。四天王クラスともなれば、さもありなん、といった感じでしょうか。相手の土俵に上がるつもりはさらさらないぞと。

翻って木曽あずき。彼女もまた自分の世界を持っています。しかし、今回はそこに籠るのではなく、オーソドックスな笑いに強い小峠に歩み寄り、橋をかけ、折り合いのつくところに着地させていました。ここまで出来る一般人(芸能人ではないという意味)は滅多にいないと思います。驚異的です。

どちらが良い、悪いということではありません。横綱には横綱の、前頭3枚目には前頭3枚目の戦い方があるということです。

 

そして、もこ田めめめ。

ああ、テレビの編集とは残酷なものです。シビアな撮れ高ハードル。カットされるめめめ。非情な現実。

みなさんご存知の通り、めめめは緊張すると頭が真っ白になってしまいます。時にはオウ田ムムムと化します。

でも、それでいいのです。それは、彼女が必死だという証拠です。だからこそ、私たちは心打たれもするし、屈託なく笑うこともできます。それは、誰にでもこなせる役割ではありません。生来の人好きの良さとたくさんの経験が必要となります。そう、例えば、出川哲朗のように。もしかしたら、めめめの新境地は、リアクション芸によって拓かれるのかもしれません。

ただし、一つだけ注意すべきことがあります。「かわいい」に逃げないということ。「かわいい」というのは、無条件で便利な誉め言葉ですが、一方で終着点でもあります。「君、面白いね」と言えば、こいつはまだ深そうだな、もう少し掘ってみるかという意味ですが、「君、かわいいね」というのは、それ以上広げようがないという意味です。

ちなみに「君、パンチが効いてるね」は、悪口の婉曲表現です。覚えておきましょう。