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恙無く終わりましたね。
せっかくなので、直前に挙げた予想と実際の順位を見比べてみます。未見の方は、ブラウザバック推奨。まずは先日の予想から。
1花奏
2杏戸
3周防
4西園寺
5島村
6季咲
7宗谷
8鴨見
9堰代
10日ノ隈
実際の順位はこちら。
1花奏 464点
-------一般人の壁-------
2周防 386点
3杏戸 357点
-------生活に支障なし-------
4鴨見 295点
5西園寺 284点
6宗谷 267点
-------まだ大丈夫-------
7島村 179点
8季咲 143点
-------養老孟司-------
9日ノ隈 108点
10堰代 100点
一番外れていたのは、鴨見さんですかね。期待を込めてBIG3入りの予想でしたが、実際にはそこそこの順位。九九の間違いもありましたが、トータルでは無難なところに収束。代わりに季咲さんが8位。下馬評通りの活躍、お見事です。しかし、タイトルホルダー2名の牙城は崩れなかった。コメントでも頂きましたが、勉強するだけで見所の生まれるタイプですね(本人の心が折れなければ)。774inc.の箱売りについては、ひとまず十分という判断でしょう。年始休みの学力テスト以上に集客力・露出度の高い主催企画もありませんので、これで興味を持たない視聴者には、現状打つ手なしです。個別のコラボは増えていくでしょうけどね。
花奏さんの独走に、周防杏戸が続くところは大方の予想通りでしょうか。宗谷さんは初回の学力テストの印象で予想しましたが、第3回の番外編で既に成長されてたんですね。
で、ここからが本題。
単なる個人的な考えですが、そろそろ、因幡さんも回答者側に回ったほうが良いのではないかと。
いくつか理由はあります。
まず、あにハニブイで点数争いをする際、日ノ隈宗谷を2倍するだけでは到底勝負にならない。主眼ではないので競る必要はありませんが、せっかく競うなら、もう少し緊迫感もほしい。
次にーーこちらが主たる理由ですがーー問題作成・採点者として、けっこう不安なところがある。特に英語。詳しくは後述します。もちろんお忙しい方ですから、他人に委託できる作業は任せてしまったほうが良い、というのもあります。
ここはとても難しい。というのも、因幡さんが問題を作り採点をするからこそ、コンテンツとして成り立っている部分も多いから。因幡さんが作らなくて済むようになれば、主催の必然性も減り、場合によっては他所でも出来てしまうことになる。実はそんなに秀才ではない、とバレてはならないジレンマがあります。
もちろん、正確な学力の測定が目的ではないので、問題や採点をあまりとやかく言うのはお門違いというものです。女性配信者として稀有な学力の持ち主なのは疑いない。それでも、気になってしまうものは気になる。特に英語。おそらく、本人もそこまで得意じゃない自覚はあるけれど、立場上そうも言えん状態ではないかと推測します。
たとえば、英語の発音をひらがなで書く問題がありますが…どうなんでしょう。仮に小学生に教えるとしても、ひらがなやカタカナで発音を理解させるかどうか。初歩の辞書ならカタカナで表現した発音も併記してありますが、苦肉の策という感は否めない。というか、日本語で表現するのは無理なんですよね。音の認識が違うから。発音の理解を調べるなら、発音記号を使うか、同じ発音の単語を選択肢から選ぶ…といった具合になります。撮れ高目的としても、単に発音の規則を知らないゆえの間違いに終始してしまうので、バリエーションに乏しい。
もう一つは、第1回でも気になった、周防さんの英作文に対する反応。前回はネイティヴな砕けた書き方をして、採点者に伝わらなかった。まあ、これはテストなので仕方ない気もする。今回は採点者に配慮して、教科書的な英語で書いてらっしゃったのですが、これでもちょっと怪しかった。流石にso〜that...構文は知っていると思いたいですが、admirableも含めて曖昧に流していたので、ヒヤッとする。
他の教科については、知らないと解けないだろうとか、分野が偏っているとかあるかもしれませんが、エンタメな以上仕方ないのかな、とも思います。
(追記:他の教科で思い出してしまったので、些細なことですがもう一つ。
国語のテストで『ごんぎつね』の内容…内容というのもよく分からない話ですが、おそらく粗筋と自分なりの解釈を要求しているのでしょう。作品の解釈は研究者の間でも統一されがたいので、一旦脇に置きます。少なくとも、作品全文をきちんと読んだ前提でないと議論にもなりません。
で、そういうそもそも論を取っ払った上で気になったのは、花奏さんの満点回答冒頭の「主人公のおじさん」という部分です。
基本的にこの設問は『ごんぎつね』を知っているかどうかだけを問うもので、どう書いても読者の自由で減点しようがないのですが、ここだけは明確に減点対象になります。
物語の主人公を誰と受け取るかは、解釈上基本的かつ大きく影響する点です。細かい話を抜きにしていうと、主人公とは「物語の始まりから終わりまでの間に変化した・成長した」登場人物を指します。『ごんぎつね』でいうと、主人公は狐のごんという見方が支配的です。
最初は単なるいたずら心で人間の邪魔をしていたごんが、自身のいたずらのせいで、兵十のおっかあが最期に食べたがったうなぎを食えずに死んでしまったと知り、反省するお話。そのあと、償いに盗んだものをあげたら兵十が盗人と思われて怒られたため、ちゃんと自力のもので償うという反省もある二段構え。最後に、兵十は神のご加護と思い込んでごんが「ちっ、割にあわねーな」と当初の思いを忘れた頃に勘違いで殺されるというオチ。成長したのはごんです。兵十に成長する要素はありません。だって、狐のせいで母親は最後の晩餐食べられずに死んじゃって、あらぬ盗人疑惑までかけられて、なんか知らん栗が勝手にウーバーイーツされて、あの狐がこっそり家に来たから撃ち殺したらウーバーイーツはごんだったって話ですよ。そもそもごんが原因で、殺されても文句言えないようなことしでかしてるんですから、兵十が勘違いで殺したからって改心しようもない。
また、これは作品そのものというより成り立ち的な話になりますが、大元は口伝らしいんですね。新美南吉が全部自分で考えたというより、もともと地元でそういうお話があった。村のお婆ちゃんとかが子供たちの前でお話ししてくれるやつです。ナウシカでいう「その者金色の野に降り立ち…」的な。ちょっと違うか。
ともかく、それを元に新美南吉がアレンジしたと。アレンジする前は、狐が葬式を見て「あー悪いことしちゃったな」で終わる話だったそうです。いたずらはダメだよ、思ってもない迷惑がかかるかもしれないからね、はいおしまい。この物語のプロトタイプからも、やはり反省して変わるのは狐です。兵十は迷惑かけられただけ。ただ可哀想。
テスト的にベターな回答は、誰が主人公か明言しないことです。求められてないことに言及して付け入る隙を与えるのは、藪蛇というもの。
…まあ、これは学力テストの本筋ではないため、実際は些事です。主眼は、有名作品を知らない人がどんな創作をするかにあります。知っている場合も、〜〜ゴンとか、報連相とか、その人なりのユーモアを発揮する場面。
もしわたしが『ごんぎつね』で似た問題を作るなら、青空文庫のものを読んでもらい
- ○○字以内で粗筋を書け
- 主人公は誰だと思うか
- なぜそう思ったのか理由を述べよ
という感じにします。もちろん主人公はごんでなくても構いません。兵十でもおっかあでも茂平でも弥助でも新兵衛でも加助でも読者でも作者でも世界中のみんなでも、なんでもあり。あとは理由で「なるほどなぁ」と思わせればOKです。追記終わり。)
一般的な試験は出題範囲があって、その中の知識・理解によって全て解けるという形で公平性、試験らしさが担保されます。大学入試にしても、学習指導要領で定められた高校までの学習内容という出題範囲が(少なくとも建前上は)存在する。そういう、知ってるはずなのに解けなかった、悔しい!というのが理想的な問題の作り方ではある。あくまで理想ですが。
で、自分ならどう作るだろうと考えてみた。一つのやり方はこうです。回答者の動画・配信内の話題をネタに、あるいはそれをきっかけに膨らませて、問題を作る。
上記配信でメッセンジャーバッグが話題に上ったことをネタにしてみます。
- メッセンジャーバッグを英語で書け(英語)
- メッセンジャーバッグを以下の画像から選べ(著作権の問題があるので、やや面倒。ジャンルは雑学?ファッション?)
- メッセンジャーバッグはもともと自転車便従事者向けに作られたが、最近日本でも流行っている新たな食事宅配サービスの名前といえば?(社会)
- そのサービスにおいて近頃、傷害補償や賃金値下げの問題がニュースになっていますね。これらについて、働き手側の集まりは会社側に団体交渉を求めているようです。この集団を、漢字四文字でなんと言うでしょう?(社会、撮れ高狙い)
もう一つ、同じ配信のネタ。指摘されていませんが、ある読み間違いをしています。
- 隔たりの読みを書け(国語)
回答者とは違いますが、たとえばの話。この配信で「おしるこ」を読み間違えていますが
- しるこを漢字で書け(国語)
- おしるこはあんこを使いますね。そして一般的にあんこといえば、あずきと砂糖なんかで作ります。さて、あずきを漢字で書け(国語)
- おしることぜんざいは、関西では使い分けて呼ばれるようです。さて、どう違うのでしょう?(社会、雑学、家庭科)
英語なら、こんな問題もありです。
- 季咲あんこはアイドルを目指していますね。ところで、そのアイドルの正しい英語表記はどっちでしょう?ちなみに片方は「怠けてる」という意味です。A.idle B.idol(英語/撮れ高狙い)
堰代さんは間違えられない問題ですね。
算数なら、計算以外だと語句説明が配信向きか。
無理数を尋ねるのも面白そうです。
最後にこんなのも。
- 堰代ミコが朗読した夏目漱石の作品名を答えよ(国語、間違えると居たたまれなくなる)
徒然なるまま書きましたが、単なる一案です。基本的には、因幡さんが作って採点するからこそのコンテンツでしょうね。採点官に媚びを売るところも含めての回答だったりもしますし。
そんなわけで、また次回の箱企画を楽しみに待ちたいと思います。それでは。