ナチュラリストは無印と宮古島に集う

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先日の宝鐘×因幡配信ですね。学力テストに誘うくだりが一番面白かった。29分あたりに始まって、一旦離れるんですけどもう一回戻って

宝:だから、全然勉強はからっきしですよ

因:へぇー…

宝:えなんで急に学力、の…話を…

因:へぇー…いやぁ別に特に意味はないんだけど

宝:あぁ、ちょっと暇つぶしの…会話を…(ここで諦めて次の話題に移ろうとする)

因:まあなんかちょっと、あれかなーと思って…

宝:なんですか?

因:テスト受けてみたりしたいのかなーって船長が…

宝:あ!!受けてみたいです受けてみたいです(お手本のような二つ返事)ぜひ…ぜひ…

あんまり自分から「出して出して」だと「やっぱやーめた」になりかねないので、あくまで相手の口から出るのを待つという、目に見えない押し引き。ほとんど口から出かかってるんですけど、ギリギリ堪えた。こういうのが、コミュニケーションの妙というか、個人的に観ていて面白い。ベテラン同士ならではの味わいがありますね。ホスト側も誘う気満々だったと思いますが、あくまで「相手が受けたいと言ったからお誘いしましたよ」の形は譲れない。これしかないという落とし所でした。

 

 

…さて、いよいよ大晦日。皆さんはどんな一年だったのでしょう。わたしはご覧の有様です。

 

 

少し前まで、宝鐘さんのアーカイブを一から見返しておりました(流石に一通りの手札を見た感があって、最近はそこまでですが)。

もし他人にどれか一つのアーカイブを勧めるとしたら、広告ゲームアプリの回。

タイトルを見た瞬間、負けを悟りました。もし自分が配信者だったとして、これを思いつくか。思いついたとして、それを上手いことやる自信があるか。そうです、勝手に闘って勝手に負けました。もともと広告が出るたび「変われ」と我が家ばりに言っていましたが、Crowd Cityをあそこまで楽しそうに遊べる人もそういないでしょう。シリーズ物なら、サクラ大戦も愛と理解が深いだけあって面白い。

 

最近知りましたが宝鐘さん、だいぶ昔からこの界隈にいらしてたんですね。当時の痕跡は無いに等しいので、あまり比較考証できないのが残念。仕方のないことですが、vtuberの考古学・歴史学的な観点からすると非常に貴重なので、なるべく残ってほしい。個別の変遷を辿る上でも、異なる環境設定の及ぼす影響を知る上でも重要です。バーチャル箱ちゃんも、消すには惜しい遺産でしたのに。

そういえば、先日コメントで頂いた両名の邂逅も、アーカイブを見返す過程で見かけました。10/7の東方配信ですね。

 

なんだか、好みが偏ってるようにも見えます。

こういうのもまた違った良さがある。株なら堅調な動きとか、手堅い銘柄とか言われるタイプ。同じ言葉に対して、日によって読み方が変わるから打率何割という発想は、なかなかエグい。

また違うタイプですけど、最近自分の中で考えを改めた人。夏色まつりさん。ただの下ネタおばさんだと思って興味を持たなかったのですが、司会の安定感がすごい。コミュ力というか、社会性が高い。ただの下ネタおばさんではないと分かり、ホッとしました。

 

とはいえ、やはり好みはあります。vtuberに関してなら、業の深さが判断基準。かつ、その業の深さが自然に醸成されたものであると尚良い。以前書いた「業の深さの濃縮還元」は、これを念頭に置いた対表現です。

あくまで例えばの話ですが、ネットの知り合いにお金を貸したり、体を許したり、剰え処女を捧げたりというのは、ハッキリ言ってブッ飛んでいる。ネジが2、3個じゃなくて10個くらい外れている。別の世界の住人です。普通に生きていたら、とても交錯しようもない。

遠北さんも、3月いっぱいという生活の変わり目で卒業すると発表なさいましたね。世間一般の生き方に配信業を馴染ませるのは、なかなか難しい。

そういう意味でも配信者なんて基本的に別の生き物ですが、中でも、長期間にわたり深めてきた業の上澄みを贅沢に振る舞うタイプや、現在進行形で獲れたて新鮮な業を提供するタイプが、なんだかんだで一番飽きない。長く楽しめるコンテンツになりやすい。

つまりは、健康志向でオーガニック好きの無農薬栽培に適した自然由来の環境にも優しいナチュラルテイストの、たとえば無印良品に並んでいそうな、たとえば宮古島に群生する野生大麻のような、そんなvtuberが好みということになります。

 

 

これは、来年から世界初vtuberナチュラリストを名乗るべきなのかもしれませんね。

 

それでは皆さま、良いお年を。