現実と虚構と仮想

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「大空スバル=めっちゃばぶ美」説って…良いですね。まず字面と響きが素晴らしい。キャラとしても、ほとんど正反対。ホントかどうかよく知りませんけど、そう考えた時点でもう面白い。

仮にそうだとすると、どうしてなんでしょうね。ホロライブでもなかなか美味しいポジション(界隈で見ても被りにくいキャラ)で、銀盾到達済みの大空スバルがあれば十分という気もする。

めっちゃばぶ美の所属するジャストプロも、大手とまではいかずとも、有名な芸能人や声優を抱えている芸能事務所のようです。活動もSHOWROOM中心で、一応棲み分けは出来ている。活動開始時期がかなり近い(どちらも2018年9月に配信開始)ので、単に両方応募したら両方受かってしまった、というところでしょうか。別の企業で、キャラも真逆で、何人もエントリーしただろうに、それでも同じ人材が選ばれたのだとしたら…。こういう適性の持ち主は、想像以上に少ないのかもしれない。

だいぶ事情は異なりますが、本間ひまわりとトリバーチャルユーチューバーの関係も、なかなか趣深いものがある。あのクラスでもオーディションに落ちることを考えると…ばぶスバがもし本当なら、天文学的な奇跡にも思えてきます。

(2本目の動画でグッと本間ひまわりに近づくのも、趣深い。)

なんにせよ、バーチャルならではの醍醐味がありますから、このまま行ける所まで行ってほしいものです。

 

しかし、バーチャルって何なんでしょうね。

つい最近までリアルの対義語ということで片付けてたんですけど、じゃあ本当の反対でウソ?

調べたら、リアル=現実とは複雑怪奇なるものゆえ、対概念も複数存在する。そりゃそうか。

ある一面から見たら〈現実/虚構〉。英語ならフィクション。「この物語はフィクションです」のあれ。小説を研究する人なら、避けては通れない概念。蓮實重彦さんも色々書いてましたね。フィクションだと『「赤」の誘惑』『「ボヴァリー夫人」論』…懐かしい。哲学畑のいう「作り話(というか例え話?)」と、文学畑のいう「作り話」は全然違うものだから、噛み合わんのも無理はない…とかなんとか。忘れましたけど。

で、もう一個挙げるなら〈現実/仮想〉。バーチャルはこっち。バーチャルリアリティといったら、仮想現実。そういう言い方が出来るなら、全くもって非現実的というわけではなさそう。

調べてみて面白い、分かりやすいなと感じたのは、「バーチャルカンパニーはペーパーカンパニーとは違う」という説明。バーチャルカンパニーは、実際にあるわけですね。どっかのビルにオフィスを構えたりはしないけど、会社としては存在する。ペーパーカンパニーだと、会社としても存在しない。詐欺とかで、会社があるように見せかけたいとき使うやつです。

バーチャルは、物としての実体はないけれど、現実のものと同じように機能する。仮想通貨もバーチャル。お札や硬貨として持ってなくても、お金として使える。こども銀行のお金だと、物として存在していても、お金として使えない。フィクションの世界で犯罪が起きても、実際に警察は動かない。けど、バーチャルな世界で犯罪が起きたら、警察動くかも(というかそうであってほしい)。

すると。リアルなものと同じような機能・役割を果たし、同じような効果をもたらす。それで初めてバーチャル…ということになります。幻肢痛の緩和にバーチャルリアリティが一役買っているのなんて、まさにそんな感じ。現実的な痛みの止め方といったら、鎮痛剤を打つところですが、バーチャルな治療法もあるよ、と。

…なんだか、おいそれと「バーチャル」を名乗りにくい雰囲気になってしまいました。実在しないのに現実のそれと同じ効果をもたらすって、逆にハードル高いような。

 

まあ、難しく考えずにいきましょう。実在しなくても、誰かにとってYouTuberと同じ役目を果たしているなら、それはもうバーチャルYouTuberです。バーチャルアイドルも、バーチャルアーティストもそう。結局、受け取る人次第。

そんな考え方もあるのよ、というお話でした。おしまい。