ボランティアから仕事へ

(1890字)

…。

あにハニのよみうりイベントが終了したようですね。わたしは評判を聞いてから考えようかと思っていましたが、どうやら考える余地もなさそうです。よって、ノーコメント。

もっとも、観ていてもノーコメントだったかもしれません。

 

いくつか新たな展開がありましたね。

まず、各メンバーのソロイベント開催決定。日程も確定。

個人的に興味のあった周防パトラが10/19(土)で、日ノ隈らんが11/17(日)。

うーん。

実を言うと、周防さんのほうはいいかな…という方向に気持ちが傾いています。おそらく抽選でしょうし、他にもっと熱心なファンが大勢いることを考えると、仮に行っても周りについていけない気がしてきました(例のラストライブのトラウマ?)。

日ノ隈らんは、単純にあのなかで一番まともな方だと思うので、応援したい気持ちが強い。

いずれにしろ、もう少し情報が出揃ってから考えます。また訳の分からないコスプレショーとかだったら、怖いですからね。

 

もう一つは、774.incのタレント・クリエイター募集の話。

これまで内密なスカウトでタレントを集めてきましたが、流石にアテがなくなったか。それとも、今後引退者を出さないため「やる気に満ちた人が向こうからやって来る」形にしたいのか。Re:AcTの引退組で、もしvtuberを続けたい方がいらっしゃるなら、応募するのも一つの手ではないでしょうか。事情を深く知らないので、滅多なことは言えませんけど…。

ともかく、重要なのは後者です。わたし個人は有産ではないので関係ありませんが、これに興味を持つ方は、少なからずいることと思います。以前にも、下の記事でちょっと触れましたね。

非匿名性に起因した「やさしい世界」は、今や別の問題を引き起こしています。ファンアートという文化です。

それ自体は全く悪いとは思いません。純粋な好意で、あるいはクリエイティビティを刺激されて、何かを創りたくなる。微笑ましい光景です。理想的ですらある。

しかし、それが常態化すると困ったことが起こります。配信のサムネイルにクオリティの高いファンアートを使うのは当たり前で、ひどい場合には無償で動画作成を依頼する場合もあります。

閉じたコミュニティ、配信者とファンの距離が近いところで、よく起きる現象です。「あなたはわたしのファンでしょう?手伝わせてあげる」。ファンもその人のお役に立てるのがうれしくて、あるいは個人的に仲良くなるチャンスだと思い、喜んでタダ働きします。鈴鹿詩子は動画作成を外注していますが、放っておいたら向こうからどんどん「タダでやります!」というファンが出てくる。そういう世界になってしまっている。

端的に、無償奉仕は市場を破壊します。vtuberというブームは、限られた人たちしか恩恵にあずかれない。広く還元されずに止まっている。いわゆる中の人を、ブラックな環境でこき使う事例が後を絶たないのと同根です。ファンアートを創る人も含めて、もっと陽の目が当たるべきと思いますが、どうもその方向には進んでいない。

いわゆるファンアートを、きちんと仕事として成立させるための大きな一歩になり得る、とわたしは思います。当然作り手もそれだけのクオリティを求められるでしょうが、その過程でスキルアップや環境整備へ繋がるなら、非常に生産的だし、この界隈をただの身内同士のお遊びで終わらせないためには必要不可欠です。今の状態では、広く世の中に通用するクリエイターがいたとしても、定着できません。ボランティアには限度がある。コンテンツが力を蓄積するには、仕事として成り立つものをちゃんと仕事と認めてあげるしか方法はない。

仕事として接するなら、適切な関係も築ける。無償奉仕の域を超えたファンアートは、演者にとって目に見えない精神的借金になり得ます。たまに話題に上る「一部有産の優遇」も根っこはこれ。申し訳なさすぎて、接し方を変えざるを得ないのです。

この流れが(もちろん法とモラルに則した上で)界隈に広がることを、切に望みます。