二人一組の話

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今日は、二人一組の話でもしましょう。

 

vtuber界にも様々な二人一組がいらっしゃいますが、最もよくあるのは、前世からの深い縁というパターンです。そのままニコイチで売り出されることは少ないけれど、たいてい同じグループの同期生としてデビューします。椎名唯華と笹木咲、森中花咲と勇気ちひろ、日ノ隈らんと宗谷いちか(ところで、この二人のチャンネル登録者数が逆転していて驚きました。やっぱりちょっと宗谷さん、ツイキャス的閉じコン化が…手遅れ一歩手前?)などなど。

他のメンバーよりも勝手知ったる仲なので、自然とその組み合わせが増えていき、結果的にはコンビ売りと似たような感じになります。ただ、あまり前世からの縁に頼り過ぎると、出だしは良くても後々困ったことに。今の世界に根を張らないと、伸び悩む傾向にありますね。

 

もちろんそのままコンビで売り出される場合もあります。田中ヒメと鈴木ヒナなんかは、どうでしょう。田中のみでデビューしましたが、鈴木の合流も当初から織り込み済みだったのでは。一応本職は歌だけど、鈴木合流まで封印していたことが、傍証になるかどうか。

本職らしいんですが、個人的にヒメヒナの歌はピンときません。クオリティの高いMVを短いスパンで繰り出せるのが強み、という印象。

あと、鈴木合流以前と以後で、コンテンツとしての性質というか、方向性がガラッと変化した。合流後はめっきり興味がなくなってしまって…。

斎藤さんの動画でファンの放った言葉が、急所を突いていたと思います。

えっとね性格はヒメちゃん好きだけど

服装とか見た目はヒナちゃん推しなんですよ

初めてこれを聞いたとき、「うっ」となりました。あくまで2人を比較してという話を振られたから答えたまでで、別に悪気はなさそうだし、フォローもしてるんでしょうけどね。vtuberとしてこれを言われたらと思うと、なかなか辛いものがありますよ。性格や声なら「演者に帰属する」という意識をもてますけど、ガワや見た目は演者の力及ばぬ部分ですから。

先日の「珠玉の一本」の続きというわけではないですが、田中ヒメのPUBG動画は、あらゆるvtuber(そんなに知らないけど…)のPUBG動画のなかでも最高の出来でした。それくらい、単品の田中ヒメは輝いていた。

キモは、見知らぬ外国人とのVCという点。田中ヒメのファンもいましたが、出来ればまっさらな状態がいい。全く接点のない、母語も異なる他人とどうコミュニケーションをとるか。彼女はそういう面において、非常に長けている。それこそ、もこ田めめめの隣に置いても安心できるくらい。それほど、田中ヒメのコミュニケーション能力、場を回す能力は高い。この界隈では頭一つ抜けています。vtuber界で唯一、安心してMCを任せられるタレントです。

VCの話に戻ると、この手の不特定人物とのやり取りというのは、手探りであればあるほど面白くなる。逆にある程度知っている仲なら、発話を縛り、文字あるいはボディランゲージのみという風にしないと、途端につまらなくなる。いっとき斎藤さんが流行ったのは、vtuberも何も知らない人と四苦八苦のやり取りをするのがウケたのだと考えています。演者にある程度のコミュ力がある前提ですけどね。そもそもキズナアイ輝夜月はYouTuberの流れを汲んだvtuberでしたから、その程度造作もなかったのでしょう。キズナアイなら、人狼の最後のやり取りは傑作でした。vtuber史に残るワンシーンです。

いわゆる生主系vtuberのリスナー参加型PUBG(ちょうど2018年の夏、カスタムマッチが一般にも開放されました)が前述のものと比して撮れ高に欠けるのも、事柄としては裏腹です。知ってる人と普通に声で会話したところで、別に驚きも齟齬もスリルも生まれません。

 

話が逸れました。二人一組に戻りましょう。もちろん前世の因縁以外にもあります。企業としてセッティングされた場合。かしこまりとパンディ、ときのそらと友人A、YuNiと乙女丸(合ってる?)とか。よく「片方とそうじゃない方」と捉えられがちな、メインとサブの補佐役という組み合わせですね。もしかしたら、これもこれで前世の因縁なのかもしれないけれど、そこまでは知りません。

あとは、シンプルに血縁関係。ぽこピーとか。おめシスは…どうなんでしょうかね。ちあめあ、なんてのもありました。

 

魔法少女ちあは、間違いなく鬼才でした。げんげんとタイマン張れるくらいのセンスの塊だった。月ノ美兎に見初められるあたりまでは順風満帆と見ていましたが、むしろそれが良くなかったのか、あるいそれとは関係なく生主化の波に飲まれてレッドオーシャンに沈んだのか、単純に才能を刹那的に使い果たしたのか。あの嗄れたガラッガラの声、短くまとまった動画、独特のテンポ感とワードチョイス。vtuber界のスリムクラブとして、輝夜月のカウンターパートになる可能性もゼロではなかった。

 

…いや、それは言い過ぎか。