宇森ひなこにみる「若さ」という特権

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さて、どこから始めたものか見当もつきませんが、とりあえず宇森ひなこといきましょう。

 

無論、ここでいう「若さ」はいわゆる実年齢とは無縁ですし、宇森ひなこに限った話でもありません。その必然性は、とりあえずビールと同程度です。

 

 

初めに、しばし昔話にお付き合いください。どれくらい昔かというと、この記事が萌芽した頃は、まだ宇森ひなこの収益化が通っていなかった…それくらいの時間感覚です。

 

そう、彼女は長らく収益化申請をリジェクトされていた。まあ、若さ故と言えばそうかもしれませんね。とはいえ、これは今いう「若さ」云々というよりは、シンプルに自分の立場を見誤った結果でしょう。

 

いずれ書きますが、特にツイキャス主から移行した場合、楽曲等の著作権に関する認識の甘さは、配信者として身を立てる上で致命傷になり得ます(にじさんじ一期生を見て学んでほしかったものですが)。ツイキャス主に限らず、個人で趣味程度に行う配信では、そこらへんキリがないので仕方なく看過されている。それと同じことを職業:配信者がやって見逃されるわけもありません。宗谷いちかも、当初はかなり危うい橋を渡っていました。

誤解を恐れず言えば、初期あにまーれは炎上上等というか、なんの後ろ盾もない中でのサバイバルゲーム、とにかくパンチを効かせて名前を売ってやる、という方向性でした。下ネタ(といっても可愛いものですが)然り、著作権的にアウトな歌枠然り。その連打のなかで受け手の鳩尾にクリーンヒットしたのが、宇森ひなこのコンギョです。しかし、そのデカすぎるラッキーパンチの反動を受け止めきれず…という話は、以前にも書きましたね。

 

ここで言いたい「若さ」とは、例えば因幡はねるへのリスペクトからか謝罪芸を丸パクリしてみたり、あにまーれ各メンバーに秋波を送ってみたり、かと思えば後発ハニーストラップの周防パトラにすぐさま影響されてASMRに凝り始めてみたり…そういう、アッチへふらふら、コッチへふらふら、なところです。

これは決して悪口ではありません。学ぶが真似ぶから来ているなんて話を持ち出すまでもなく、先達の真似をすることは、物事の習熟に欠かせない要素ですから。

ただ、彼女の場合(多くの人が通る道とはいえ)、影響されやす過ぎる。他者の真似は、少なからず自身にストレスをかけます。敢えて自らを別人の型に嵌め込むのですから、度が過ぎれば精神的自傷行為になりかねません。とはいえ、それも「若さ」ゆえ。自分のスタイルを確立してしまった人にとって、二度と見ることの叶わぬ景色のなかでもがく姿は、貴重な一コマです。

 

極端な話、収益化が通らずとも、vtuberとして成功せずとも、いいんじゃないかとすら思っていました(収益化は通ったわけですが!)。

「若い」彼女には、またいつか別のステージが巡ってくるような気がしたからです。それこそ、今の周防パトラのように。どうも、若かりし頃の周防パトラを重ね合わせてしまいます。それこそ童話のコウモリのような、身を滅ぼしかねんばかりの八方美人ぶりも含めて。

 

これからどう成長するのか、花開くときは来るのか…それは、宇森ひなこ次第。

なにしろ彼女は、その名の通り、コウモリの雛ですから。

 

 

 

…本当は「若さ」というテーマで他の人の話もするつもりだったのですが、収まりがいいので一旦切り上げるとしましょう。

また、次の記事で。

(2019/05/13微修正)