コメント所感

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複数まとめてになりますが、タイミング如何なので、ご容赦のほどを。

 

一つ目、バックグラウンドと楽屋ネタの話。これは、なかなか線引きの難しい問題です。vtuberに限りませんが、受け手の知識をどの程度まで前提とするか、の問題。今手に取っている「それ」だけから、前作前々作、あるいは対立関係にある誰か、時代の流行り、当時の常識、ハイソサエティのみに通じる暗黙の了解…などなど。

受け手に仲間意識を持たせる、こちら側に引きずり込むのは、固定客を作る上で欠かせない要素です。と同時に、やりすぎると閉鎖的になり、新規開拓を見込めなくなる。

前提知識がなくとも楽しめる、あればさらに楽しめる…というオプション的なもの、プラスアルファくらいに留めておくのが一番いいかもしれませんね。

学力テストで、老人ホームの地図記号に珍回答をした西園寺メアリに、もののあはれを感じるといった程度の…。

 

二つ目、ななしの存在がもたらす演者ー視聴者間のズレについて。これは運営の立ち位置と戦略の問題ですね。いずれ別途記事を設けますが、手短に言うと、色猫運営は先行のにじさんじとドットライブをある程度参考にしていると思います。いわながやばあちゃるを運営側の人間と見るなら、他社でも特定個人のスタッフネタがあると言うことも可能です。が、それだけではもちろん説明しきれない。ななしは、徹底して肉声を出しません。そもそも運営母体すらはっきりしません。うっかりバレかけたりはしましたが、結局有耶無耶のままです。ある意味、vtuberよりもバーチャルな存在となっています。意図した結果なのかは不明ですが…。

 

 

三つ目、ここから別のコメント(えのぐ関連)の話になります。個性の出し方とやべーやつ路線について。タレント業には常についてまわる永遠の課題ですね。やべーやつ、特にニッチな話題に詳しいオタクアピールと、悪食系。ここはvtuberにおいて鉄板です(やや食傷気味ですが…)。当然、月ノ美兎の残した大きすぎる爪痕と思われます。月ノ美兎vtuberを語る上で避けては通れないビッグネームになってしまいましたが、私は極力避けてきました。なぜならーーこれは単なる勘ですがーー月ノ美兎について何かを述べようとすると、即「語るに落ちる」ことになるからです。それについて語りたいと思わせる引力を発して、最終的に飲み込んでしまう、ブラックホールのような在り方をしている…と、勝手に思っています。いずれ、着手せざるを得ないときが来るまでは、そっとしておくに越したことはありません。

 

四つ目、振付について。たしかにMMDなどの先行技術があるなかで「踊れる」ことは、大きなメリットになりませんでした。労力の割に、あまりに儚い見返り。注力する場所を間違っている、とも言えます。歌や踊りの上手さよりも、直に会って触れるとか、個人配信で交流出来るとか、そういうもののほうに人は流れる。これはもう仕方のないことです。

ただ、今やっていることも、いつか別の形で役立つ日が来る…と、思いたいですね。