ハニストと音楽 ー想定内と想定外ー

(1965字)

前回の続きです。

音猫ななしと、ハニストの音楽面での方向性…というところまでいきましたね。

 

ひとまず、音猫ななしが作詞作曲したというHoney Dazeから話を再開しましょう。

この曲は、聞いていただければお分かりの通り、いわゆるアイドルソングです。会場で歌って、聴衆にコールをしてもらって…を前提に作られています。

前にアイドル売りの恐ろしさについて書きましたが、実はこの曲の登場も、少なからず影響しています。

それはさておき。このあたりからは、色猫運営の思惑も想像する必要があります。

 

そもそも、ハニストはどういう戦略のもとで生まれたのでしょうか?

一つには当然、あにまーれのカウンターパートとして、カンフル剤になってほしいという目論見があったと思います。

もう一つ。もともと周防パトラは、あにまーれ結成段階でスカウトされていました。が、返事をしたのは大分経ってから。前世の実績、そして因幡はねるがあにまーれのエース格になったことも考えれば、これを逃す手はありません。この界隈でそれなりのキャリアがあり、かつ転生する意思もある人材というのは、本当に限られています。

そして、あにまーれから踏襲・反省すべき点も踏まえると、次のような結論に至ります。周防パトラを中心に据え、その上で新ユニットを形成しよう、と。

つまり私の推測では、色猫運営はまず周防パトラを置き、そこからハニストというグループを組み立てていった…ということになります。もちろん、すべてが周防パトラありきと言うつもりは毛頭ありませんが、彼女との相性を見定めた上での編成ということは、十分有り得る話です。

ここであえてリーダーとして指名しなかった理由については、以前に杏戸ゆげの記事で扱ったので割愛します。

 

さて。

ハニストの最大の売り、強み、アイデンティティとはなんでしょう?

仲の良さ。なるほど、たしかにそれもあるかもしれません。芸人の世界と同様、vtuberも不仲から仲良しへとトレンド移行しているので、それも大事な要素でしょう。とはいえ、仲の良さは優劣のつけにくいところでもあります。今やどのグループも、仲良しアピールは欠かしません。

私の考えを述べます。作詞作曲MIXまで出来るメンバーと、歌一本で勝負できるメンバー、さらに言えば自前の収録環境もある。これが、ハニストというグループ最大のセールスポイントです。堰代ミコの演技力も目を見張るものがありますが、今のところ持て余している印象です。もちろん、西園寺メアリと島村シャルロットを蔑ろにしているわけではありませんので、悪しからず。それぞれに良さがあり、グループで必要な役目を果たしていますが、今そこまで深掘りするには尺が足りません。

 

個人やソロで曲を作り発表しているvtuberは、昔からそこそこいます。パッと思いつく範囲だと、ミソシタ・響木アオ・ミディ等々。

しかし、ですね。

音楽業界に関して言えば、メジャーデビューまでの道のりというのは、すでに開拓・舗装され尽くしてるわけで。昨日今日できたジャンルではない。前にも書きましたが、それだけの才能ある人材なら、vtuber関係なくとっくに見出されているでしょう。

だから、プラスアルファが必要になる。どうやって、そのプラスアルファを生み出すか。一つのやり方として、デスノート式があります。絵は上手いけど、話はイマイチ。話はおもろいけど、絵はイマイチ。2人の得意分野を相互補完的に組み合わせることで、メガヒットが生まれた。

 

おそらく、音楽をハニストの売りの一つにすることは、ある程度色猫運営の想定内でしょう。蒼月エリという、他のスカウトメンバーとは明らかに畑違いのキャスティングは、周防パトラの作曲能力との相乗効果を見込んだものです。運営側に音猫ななしがいたことも、それを後押ししたかもしれません。

 

その一方、全員参加で歌を歌うアイドル路線は、予期してなかったのではないでしょうか。そのつもりなら、歌の上手いメンバーで揃えるでしょうし。

色猫運営のハニストに関する想定外はいくつかありますが、その最たるものは「仲良くなりすぎた」ことです(それ自体は、むしろ喜ばしいことなのですが)。

というか、周防パトラのトラウマを甘く見過ぎていた。彼女は、同じ轍を踏まぬよう、ありとあらゆる細心の注意を払いました。結果、ハニストは他の何人も踏み入れることの叶わぬ絶対不可侵領域…は言い過ぎですが、まあ、それに近い、非常に密な繋がりをもつグループになったというわけです。

 

本当はここから音猫ななしの話をするつもりだったのですが…どうも話が下手で、ちっとも先に進みません。流石に2,000字超えるのはマズイので、一旦切ります。

また次回。次こそ終わらせます。