猫宮ひなたと日本のFPSゲーム

(1138字)

電脳少女シロに次ぐ登録者数の猫宮ひなた。先陣からは一歩遅れてのスタートでしたが、急激に規模を拡大していきました。

こちらも、もともとYouTubevtuberに似た形での動画投稿をしていたようですね。日本のトップクラスのPUBGプレイヤー(集団?)が、プレイ動画に既存のキャラクターと機械音声を組み合わせ、プレイヤーの代替人格というか、代弁者というか、とにかくそういった形で解説などを加えるスタイルです。

ここにオリジナルの3Dキャラと、これまた色の付いてないプロ声優を起用することでvtuberが誕生しました。

猫宮ひなたについて語る前に、それ以前の日本におけるPUBG絡みの状況を説明しないと片手落ちになるでしょう。

まず、vtuber誕生以前には、FPS系のゲームは日本にあまり浸透していなかったと思います。個人の主観になってしまうので絶対とは言えませんが。好きな人は好きだけど、パソコンのスペックも必要だし敷居が高い…というのが実情だったと推察します。vtuberが少しずつ活動を始めた頃、荒野行動という…まあPUBGのパクリゲームですね、これがスマホアプリとして日本を席巻しました。手軽なFPS系(実際のところTPSメインですが、こう呼ばせて下さい)ゲームとして若者を中心に流行した、と。これをきっかけにFPS系ゲームへの関心度が、一般層の中でも高まった。うーん、というか、興味を持つ人が増えたって感じですかね。そこに、電脳少女シロのPUBG実況がハマったと。FPSを女性がプレイする珍しさ(少なくともそれまで興味を持たなかった人たちにとっては)も手伝い、キャラの確立へと至りました。vtuberとPUBGは切っても切り離せない存在ですが、この関係については別途スペースが必要です。

で、猫宮ひなたが現れた。こちらはトップランカーのプレイなので、当然カジュアル層には衝撃的でした。そのキャラクターの可愛らしさとのギャップも相まって。

問題は、実際にプレイしているわけではないので、実況動画を成立させるためにどうするか、という点です。元来の解説するスタイルは通用しないし、そもそもそのつもりはなかったでしょう。初めのうちこそ、武器の知識や戦術を喋りかけてやめるorカットされる、という演出をしていましたが、徐々に減りました。

もはや FPSプレイヤーとしてより、猫宮ひなたというキャラクターとしての需要が巨大になったので、無理にそちら側の整合性をつける危険を冒す必要がなくなったのです。

またこれ以降vtuber界では、生半可な実力ではゲームが上手いというキャラ付けは不可能となりました。このあたりも続きがあるのですが、長くなったのでいったん切り上げるとしましょう。